OpenVPNの接続設定

L2TP/IPsec VPNサーバの構築 - koba::blog で構築したVPNサーバは問題なく動作しているのですが、来年2月までに中国ではVPNが規制されるという情報もあり、対策をとっておきたいところです。VPNの規制には特定のポートを遮断するという方法がとられるのではないかと思っています。実際、半日〜1日程度の期間でsshやWebアクセスはできるのにVPNのみが使用できないということはありました。

OpenVPNであれば使用するポートを変更できるので、規制されにくいのではと思います*1が、L2TPなどと異なりクライアント側にもソフトウェアをインストールする必要があります。中国政府もそれは承知していて、中国からはOpenVPNのクライアントは手に入りにくくなっています*2

今回はTunnelblickを使用してMac(OS X 10.9.5)からOpenVPNサーバに接続してみます。

1. Tunnelblick のインストール

以下から安定板のインストーラをダウンロードします*3

インストーラの指示にしたがい、Tunnelblickをインストールします。

2. 接続先の選定

  1. VPN Gate 筑波大学による公開 VPN 中継サーバープロジェクト から接続先を選びます*4
  2. VPNサーバの「OpenVPN 設定ファイル」のリンクの先にある「.ovpn ファイル」をダウンロードします*5
  3. ダウンロードしたファイルをメニューバー上のTunnelblickのアイコンにドロップします。

3. VPN接続

メニューバーのTunnelblickのアイコンをクリックするとメニューが出るので、接続を選択します。

問題点など

予想はしていたことなのですが、OpenVPNで接続している間は「インターネット共有」ができません。自宅ではMacを有線で接続してインターネット共有でWi-Fiルータにし、そこにスマホなどを繋いでいるのでかなり困ります。L2TPであれば、

  • VPNを使わない状態でインターネット共有し、MacスマホそれぞれがVPN接続
  • MacVPN接続した状態でインターネット共有し、スマホは繋ぐだけでVPNを通す

の2つの方法がとれるのですが、どちらもダメです。今後もL2TP接続できることが一番よいですが、ダメな場合はOpenVPNで接続し、スマホWi-Fiに接続するのは諦めるしかないですね。

それとVPN Gateのサーバは有志によるものなので、いざ使おうとしたときにそのサーバが存在しない可能性もあります。自分専用のOpenVPNサーバを用意した方がよさそうです。

*1:ただしIPレベルで規制されたらアウトです。これをやられたこともあります

*2:中国のiTunes Storeからは中国政府の要請により排除された模様です。Androidに関しては、そもそも中国のスマホにはGoogleアカウントがなく、ソフトウェアはすべて政府の監視下で流通しています

*3:意外なことにGFWにブロックされていないです

*4:このページ自体はGFWに遮断されていますが、個々のVPNサーバには接続できるようです

*5:IPアドレス指定のUDP接続のものを選ぶとよいと思います