不運のすすめ

不運のすすめ (角川oneテーマ21)

不運のすすめ (角川oneテーマ21)

「運・不運」「勝ち・負け」に対する考え方が、いかにも勝負師らしく、なかなか面白かったです。

情けをかけることの愚かさについて

運・不運は天が決めることで、手心を加えて相手を勝たせてやることなど、「慈悲のはき違え」なのである。

誰かに喜びを与えることは、実は、別の誰かから恨まれることなのだ。これは、肝に銘じておかなければいけないことである。

潔く負けを認めることの重要さについて

ところが、潮目が変わって負けになった時、けじめのつけ方を知らないと、同じような負けがズルズルと続くようになる。ミスを犯したうえに責任を取らないとなれば、毎日が負けの連続になる。悪手に悪手を重ねることになってしまうのである。

勝ち組・負け組」という風潮について

最近の日本では、しきりに「勝ち組」だ「負け組」だと言われるが、その「勝ち・負け」の基準も、お金であるらしい。

問題なのは、何をもって勝者、敗者とするのか、ということである。今、巷にあふれている「勝ち・負け」のスケールは、自分ではなく他人が決めたものである。受動的な基準にばかり反応し、自分の価値観に基づいた能動的な幸福が軽視されている。
自分自身で幸福かどうかの判断ができないのは、当人にとって実に不幸なことであり、社会としても憂うべき問題だと私は思っている。

掲示板が荒れた時の対応などにも言及していたのは意外。どうしたかは... まあ読んでください。