- 作者: 米長邦雄
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/07/01
- メディア: 新書
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「運・不運」「勝ち・負け」に対する考え方が、いかにも勝負師らしく、なかなか面白かったです。
情けをかけることの愚かさについて
運・不運は天が決めることで、手心を加えて相手を勝たせてやることなど、「慈悲のはき違え」なのである。
誰かに喜びを与えることは、実は、別の誰かから恨まれることなのだ。これは、肝に銘じておかなければいけないことである。
潔く負けを認めることの重要さについて
ところが、潮目が変わって負けになった時、けじめのつけ方を知らないと、同じような負けがズルズルと続くようになる。ミスを犯したうえに責任を取らないとなれば、毎日が負けの連続になる。悪手に悪手を重ねることになってしまうのである。
「勝ち組・負け組」という風潮について
最近の日本では、しきりに「勝ち組」だ「負け組」だと言われるが、その「勝ち・負け」の基準も、お金であるらしい。
問題なのは、何をもって勝者、敗者とするのか、ということである。今、巷にあふれている「勝ち・負け」のスケールは、自分ではなく他人が決めたものである。受動的な基準にばかり反応し、自分の価値観に基づいた能動的な幸福が軽視されている。
自分自身で幸福かどうかの判断ができないのは、当人にとって実に不幸なことであり、社会としても憂うべき問題だと私は思っている。
掲示板が荒れた時の対応などにも言及していたのは意外。どうしたかは... まあ読んでください。