天鳳鳳凰卓の牌の危険度表

現代麻雀技術論 - 押し引き論13.ベタオリ でも紹介されている有名な「牌の危険度表」の出典は『科学する麻雀』の東風荘のデータと思われるので、赤なし・クイタンなしの東風戦のケースであろう。では天鳳鳳凰卓の東南戦では?ということで実際に統計をとってみた。*1

集計対象は2019年の天鳳鳳凰卓東南戦 171,650半荘の全リーチ 1,300,316件*2。スジや見えている枚数の条件はリーチ宣言牌打牌直後。

パターン 天鳳鳳凰卓 (参考)
科学する麻雀
全ケース 和了牌のケース危険度
字牌 5,556,695 97,663 1.76%
生牌 1,423,117 61,000 4.29% 3.4%
1枚切れ 1,554,179 32,866 2.11%
2枚切れ 1,339,748 3,719 0.28% 0.9%
3枚切れ 949,632 78 0.01%
4枚切れ 290,019 0 0.00%
現物 3,545,517
19牌 5,410,692 329,277 6.09%
無スジ 4,753,952 315,987 6.65% 6.3%
スジ 656,740 13,290 2.02% 2.9%
現物 2,391,204
28牌 6,046,845 435,643 7.20%
無スジ 5,313,700 409,967 7.72% 7.0%
スジ 733,145 25,676 3.50% 4.8%
現物 1,755,051
37牌 6,545,916 519,522 7.94%
無スジ 5,710,933 480,922 8.42% 7.1%
スジ 834,983 38,600 4.62% 5.5%
現物 1,255,980
456牌 10174130 972,919 9.56%
無スジ 6,104,506 705,528 11.56% 12.3%
片スジ 3,569,573 253,357 7.10% 7.0%
中スジ 500,051 14,034 2.81%
現物 1,528,714

『科学する麻雀』とは違う部分がいくつかある。ここから新たに導かれる知見は以下の通り。

  • 無スジ37牌と無スジ28牌の危険度には明確な差がある*3
  • 生牌字牌の危険度は無スジ19牌と同程度でスジよりは明らかに危険
  • 地獄待ち(2枚切れ字牌)はほとんどない
  • 中スジはスジ28牌よりやや安全

さらに待ちの種類でも統計を取ってみた。*4

パターン単騎 双碰 嵌張 辺張 両面 合計
字牌 0.56% 1.20% 1.76%
19牌 0.47% 1.01% 4.61% 6.09%
28牌 0.48% 0.89% 1.18% 4.66% 7.20%
37牌 0.38% 0.66% 1.18% 0.97% 4.74% 7.94%
456牌 0.44% 0.67% 0.83% 7.62% 9.56%

これらの数値を 電脳麻将 のオリのアルゴリズムに応用することを検討する。

2021-04-03 追記

集計の際に当該の牌が現物だったケースを除いていないミスがあったので修正しました。その結果「知見」の2つ目は誤った認識とわかったので削除します。

*1:実際のところ、この危険度表は計算の元となる数値も計算方法も明らかでないので鵜呑みにできないと思っていた

*2:フリテンリーチと国士無双のリーチは除外

*3:『科学する麻雀』では差がなく、電脳麻将のベタオリもそれにしたがっていたが誤りだった

*4:統計の元となった数値は冗長なので省略