君子の交わり、小人の交わり―日中関係を90度ずらす (中公新書ラクレ)
- 作者: 養老孟司,王敏
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 新書
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日本人養老孟司と中国人王敏が日中関係を論じ合う。
といってもガチガチの政治論議ではなく、文化について。
日本は仏教的な「無の思想」に基づいており、原理原則にとらわれない。一方、中国は儒教的な「原理原則と理念」に基づいた行動様式であるとのこと。
いつもは中国擁護の立場の王敏が養老孟司に押され気味なのが面白い。
以下気になった一節。
- 教育の一環として、頭だけではなく身体を使う、つまり作業をすることがやはり大事なのではないか。
- 自然と社会は違う。このことは日本の思想や社会に影響を与えてきた。社会のルールと政治は関係ないというように。
- 中国には子供のときに他人の家を巡って食事をする“百家飯”という習慣があるらしい。
- 靖国がいいなんて誰も思っていないが、それを嫌だと思う後ろめたさを持つことが大事。そのためにも靖国は残すべき。
あと、弓道の「的に当てようと思ってはいけない」なんていう禅問答みたいな教えの話が出てくるんだけど、これなどやはり身体を使わないと分からないことだろうなあ。学生時代弓道をやっていた私はちょっと懐かしかったです。